女優・伊藤歩さんが16歳で映画『スワロウテイル』に出演したことをご存知ですか?
1996年公開の岩井俊二監督作品『スワロウテイル』で、伊藤歩さんは主人公アゲハ役を演じ、一躍注目を集めました。
しかし、その撮影は想像を絶する過酷なものだったのです。
高校受験と撮影の両立、三ヶ国語のセリフ、そして16歳での体当たり演技。
今回は、伊藤歩さんが16歳で『スワロウテイル』に出演した当時の撮影秘話や、高校受験との両立についてお伝えします!
伊藤歩が16歳でスワロウテイルに出演した当時の状況

伊藤歩さんは1980年4月14日生まれで、撮影当時は15歳から16歳という若さでした。
映画『スワロウテイル』は1996年9月14日に公開され、岩井俊二監督が脚本・監督を務めた作品です。
伊藤歩さんは主人公の少女アゲハ役を演じ、CHARA、三上博史、江口洋介、渡部篤郎、山口智子らと共演しました。
撮影期間は4~5カ月にも及び、ちょうど高校受験の時期と重なっていたのです。
伊藤歩さんは13歳で大林宣彦監督の『水の旅人-侍KIDS』でデビューしており、『スワロウテイル』は彼女にとって大きな転機となる作品でした。
この作品での演技が高く評価され、第20回日本アカデミー賞で新人俳優賞と優秀助演女優賞の二冠を受賞しました。
映画「スワロウテイル」(1996年公開)についての話題へ。岩井俊二監督のヒット作で、移民を描いた無国籍風の世界観が話題となった同作。伊藤は体当たりの演技が評価され、16歳で「第20回日本アカデミー賞」を新人俳優賞、優秀助演女優賞を受賞した。
出典:スポニチ
16歳という若さでの受賞は異例のことで、女優としての地位を確立するきっかけとなったのです。
撮影現場では最年少だった伊藤歩さんは、後年のインタビューで「居場所がないなって思ってました」と当時の複雑な心境を語っています。
共演者たちはそれぞれ個性的で自分の世界を持っている方ばかりだったため、疎外感ではないものの、自分の居場所がよくわからなくなる感覚があったそうです。
伊藤:一番年下だったこともあって、居場所がないなって思ってました(笑)。疎外感があったわけではないんですが、共演者のみなさんは、それぞれ個性的で自分の世界を持っていらっしゃる方ばかりだったので。
出典:CINRA
伊藤歩がスワロウテイル撮影中での過酷なエピソードと体当たり演技

『スワロウテイル』の撮影は、16歳の伊藤歩さんにとって想像を絶する過酷なものでした。
日本語、英語、中国語の三ヶ国語のセリフを覚えなければならず、ネイティブに見えるように語学の勉強も必要だったのです。
朝まで撮影して、そのまま受験勉強という過酷なスケジュールをこなしていたといいます。
さらに驚くべきは、16歳という若さで初めてのヌードシーンに挑戦したことです。
タトゥーを入れるシーンでは胸を露出し、その体当たりの演技が高く評価されました。
映画でアゲハの胸に蝶の幼虫(イモムシ)のタトゥーを描くシーンがありますが、このデザインは岩井監督の親友が描いていた芋虫がモチーフになっているというエピソードもあります。
撮影現場では、CHARAさんとも共演しましたが、「そんなに話した記憶がない」と振り返っています。
とにかくやることが多く、伊藤歩さんは語学の勉強、CHARAさんはYEN TOWN BANDのレコーディングもあったため、みんなでワイワイとしゃべる感じではなかったそうです。
伊藤歩さん自身は、20年後のインタビューで撮影当時のことを「タイムカプセルに入っているような感じ」と表現しています。
「20年も昔のことなので、正直あまり憶えてはいないんです。メイキング映像を見ると思い出すんですけど、それでも本当にあった出来事だったんだろうかって思うこともありました」と語っています。
それほど濃密で、かつ過酷な撮影期間だったことが伺えますね。
伊藤歩の高校受験と撮影の両立はどうしていた?

伊藤歩さんにとって最も過酷だったのは、高校受験と『スワロウテイル』の撮影が同時期に重なったことでした。
撮影期間は4~5カ月にも及び、朝まで撮影が続くこともあったといいます。
そのまま受験勉強をするという、想像を絶するスケジュールをこなしていたのです。
「難しかったです。撮影はちょうど高校受験の時だったんでsう。日本語、英語、中国語のセリフで、撮影も4カ月はかかったかな。それで受験もあって。朝まで撮影をして学校に行くということもありました。
出典:テレ朝POST
三ヶ国語のセリフを覚えながら、受験勉強もしなければならないという状況は、16歳の少女にとって大きな負担だったでしょう。
しかし、伊藤歩さんは岩井俊二監督への信頼があったからこそ、「岩井さんのためだったらちゃんとやりたい」という気持ちで乗り越えたといいます。
岩井監督を父親のような尊敬する存在として信頼していたことが伺えますね。
この経験は伊藤歩さんの人生に大きな影響を与えました。
撮影を通じて英語の必要性を痛感した彼女は、岩井監督の勧めもあり、高校卒業後の1998年にニューヨークへ語学留学しました。
当時は円安で、予定していた2年間の留学は経済的な理由で10カ月で終わりましたが、この期間が彼女の女優としてのプレッシャーから解放される貴重な時間となったのです。
まとめ
今回は、伊藤歩さんが16歳で『スワロウテイル』に出演した当時の過酷な撮影秘話と、高校受験との両立についてお伝えしました。
高校受験と撮影の両立、三ヶ国語のセリフ、16歳での初ヌードシーンという体当たり演技。
想像を絶する過酷な状況の中で、岩井俊二監督への信頼に応え、日本映画史に残る名演を成し遂げた伊藤歩さん。
この経験が彼女のキャリアの大きな転機となり、その後の女優人生に深い影響を与えたことは間違いありません。
現在も実力派女優として活躍を続ける伊藤歩さんの、今後のご活躍が楽しみですね!

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